無茶苦茶な指導者…?
こんな事書くべきなのか分からないけど、なかなか無い体験だと思うから書いてみる。
中学の頃にバレーボールを頑張ったおかげで、高校にはスポーツ特待生として入れた。
中学3年の終わりから、休みの日は高校に行って練習をするようになり、先輩達とも仲良くなった。
入学が決定した後(春休み期間くらいかな)練習試合に行ったとき、一人の先輩がかなり怒られて、中にジュースが残ったペットボトルで顔を叩かれてた。
もちろん、鼻血ブー
その後、監督がかけた言葉は
「鼻折れてへんか?」
なかなか見てるのが辛いのと、
"自分もこうされるのかな"
という恐怖が半端なかった。
他にも、お腹蹴られてたり、ビンタされて口の中切れてたり、ここまでするんや。って正直びっくりした。
もっとすごいのもよく目にしてたから、ある程度慣れてはいたけど、(こんなこと慣れるって、よくないね)やっぱり、あの大量の鼻血だけは忘れられない。
そんな中、ある噂が部活内で回っていた。
【先生と先輩が、お付き合いしている】
たかが噂だったけど、やっぱり二人を見る目が変わる。
その先輩が蹴られたり殴られたりしてるのを見ると、
「どんな気持ちなんやろ」
っていつも思ってた。
それから、少しずつエスカレートしてついには朝練の一時間、二人で教官室から出てこなかった。
鍵はかかってる。
出てきた先輩の胸元に、少し白く濁った液体がついてた。
男と女の関係がチラチラ見える中、私はバレーボールに集中できなかった。
単純なパスが続かなくなったり。
それを見て、監督は私を呼び出した。
私は何も答えなかったが、本人は身に覚えがあったようで、自分から色々話してきた。
やっぱり、本当だったってそこではっきりした。
それから、ずっと監督が言う事を素直に聞けなくなった。
どこか反抗心というか、
"なんでこんな奴に指導してもらってるんやろ"
って言う気持ちでいっぱいだった。
ずっとそんな事を思いながら1年がたった。
先輩は卒業し、後輩ができた。
二学期に入った頃から、なかなか部活に監督が顔を出さなくなり、
「あいつ何してんねん。」
状態。なんとかチームでやっていった。
2年の春休み。
自分の高校で開催してる春の小さな大会があった。
そこで、初優勝。
主催してるにもかかわらず、初めての優勝。
みんなで喜んだ。
いつもどうり試合後に、チームで集合してミーティング。
その時に、監督がこの学校を去る事を聞かされた。
まさかのチーム全員号泣。
あれだけ無茶苦茶で、ひっかき回されたのに、あれだけ大キライだったはずなのに、なぜが自分も涙が止まらなかった。
バレーボールだけではなく、色んな事を教わった人だったのかも知れない。
立場、男と女、忍耐、嘘と本当。
みんなで勝つ喜び、みんなで悔し涙を流せる幸せ。
腹が立つ事も、ふと助けて貰ったこともあった。
そんな人も今は生きてるか死んでるかも分からない………
大変うざかったけど、今ではあの時期があって良かったと思ってる。